仮置き場

ツイキャス『禍話』で語られた怖い話の文章化を主にやらせていただいてます

2019-01-01から1年間の記事一覧

禍話リライト 眼球病院譚

まだ携帯電話の普及していなかった頃の話。 Aさん(男性)にはちょっとした心配事があった。 当時、Aさんには仲のいい彼女がおり、相手の御両親からも気に入られて結婚も間近かという幸せな日々を送っていたのだが、その彼女の弟に少々問題があった。 大学生に…

禍話リライト おへんろさん

Aさん(女性)が後に母親から聞かされたという、幼稚園の頃の話である。 その日は父親は出張で家を空けており、母親もパートに出ていたため、昼間に家にAさんしかいない時間があった。 パートから帰ってきて夕飯の支度をする母親を手伝いながら、多くの幼稚園…

禍話リライト ロッカーの骸骨

とあるサバゲーチームの話。 そこそこの人数がいるチームなのだが、その中のあるメンバーがゲームをするのにいい場所を見つけたので今度はそこでやろうと提案してきた。 彼が言うには、偶然山奥でいい感じの廃墟群、恐らくは集落跡地と思われる場所を見つけ…

禍話リライト 竹藪の廃墟

ある竹藪の中に廃墟群が存在した。かつては集落か何かだったのかもしれないが、今となってはその由来を知る者はほとんどいない。 もしかすると、何かしらのタブーのようなものがあるのかもしれない、ひとつそこを探検しにいってみようじゃないか。そう考えて…

禍話リライト 麦わら原っぱ

深夜に酔ったままコンビニに行くのは良くない。 酒好き同士で集まって不定期に飲み会を行う社会人のグループがいた。 その日も彼らはあるメンバーの部屋に集まって宅飲みをしていた。その部屋はロフトもあってなかなか広く、いざとなれば皆で雑魚寝をしたり…

禍話リライト タクシーと病院

とある事情で全く知らない街に引っ越すことになったAさんは、新しい土地でタクシー運転手の職を得た。 人と打ち解けるのがあまり得意でない彼は、得意でないなりに早く仕事に慣れようと毎晩遅くまで頑張り、その甲斐もあって2ヶ月もする頃には、例えばあの辺…

実体験 夜の見舞い

自分が小学六年生の頃、十一月の末の話。 話に関係ないので詳細は省きますが、祖父が近所の家の二階の屋根から転落し、近くの病院にしばらく入院することになった、という事件がありました。 入院。といっても、戦時中に陸軍軍曹だった祖父は屈強な肉体の持…

実体験 自然教室の夜

小学校5年、春先の頃の話。 世間的には林間学校と言った方がわかりやすいでしょうか。 一泊二日ほどの日程で山中の施設に泊まり込みで行って、オリエンテーリングだの飯盒炊爨だのキャンプファイヤーだのとやる、自然教室という行事がありました。 自然教室…

禍話リライト テントのメモ帳

ある若者のグループ内で暇つぶしに心霊スポットでも行こうじゃないかと計画が持ち上がった。 じゃあどこかいい感じの場所はないかと言うと、あるメンバーが、 「心霊スポットじゃないけど変な場所を知っている」 と言う。 彼曰く、彼の実家の裏山、と言って…

実体験 交差点の話

小学校四年生の時、九月末の日曜の晩の話。 その日の内に揃えておかなきゃいけないものを買い忘れてしまったということで、母親が親父に近くのショッピングセンターに連れていって欲しいと頼み、それに自分もついていったのです。 そのショッピングセンター…

実体験 金縛りの話

これまでの人生で二度、金縛りにあったことがあります。 生まれて初めて金縛りにあったのは小学三年の秋のことでした。 実家の自分の部屋で眠っていると、夜中にふっと目が覚めて、 (……今何時だろう) そう思い枕元の時計を見ようとしたら、身体が動かない。 …

禍話リライト 怪談手帖『巨女』

ある猟師が一人で山に入った時のこと。 その日は獲物が少なく、せめてウサギの一匹でも獲れないものかと思い、いつもなら行かないような山の奥深くまで分け入ってしまった。 やがて獣道に行き当たり、それに沿って進んでいった彼はあるものを見つけてしまっ…

禍話リライト てるてる坊主の家

それは元々は裕福な家族が住んでいた、どこにでもあるような家だったという。 しかし、近隣の住民によればどうやら近親相姦をしていたのではないかという噂があったらしく、それを裏付けるかのようにしばしば家の中からケンカをしているような叫び声が聞こえ…

禍話リライト 彼氏の安アパート

Aさん(仮名・女性)が大学一年生だった頃の話。 当時、彼女は同じサークルに所属する同級生のBくんと交際していたのだが、ある日の授業後、彼に誘われて部屋に遊びに行くことになった。 今となってはなぜBくんが自分の部屋に来ないかと誘ったのか、その理由は…