仮置き場

ツイキャス『禍話』で語られた怖い話の文章化を主にやらせていただいてます

2023-01-01から1年間の記事一覧

禍話リライト 忌魅恐『赤い帽子の女』

Aさんという男性の、幼少期の体験。 某大学のオカルトサークルが取材した当時、彼はすでにそれなりの年齢であったという。 つまり、現代から見て、少なくとも半世紀以上は前の話。 ……ということになるだろうか。 ※オカルトサークルに関しては『忌魅恐 序章』…

禍話リライト 墓石の写真

コロナが蔓延し始め、それから少し経った頃の話だという。 感染を避けるため。あるいは利便性の向上のため。仕事の連絡や簡単な打ち合わせに、LINEなどのSNSを使うようになった。 そんな人も少なくないだろう。 この話の体験者である男性、Aさんもそうだった…

禍話リライト 忌魅恐『トイレのえつこちゃんの話』

※十一月十日は『トイレの日』です。 九十年代、関東地方のとある小学校での話。 学校の怪談、といえば。 やはりその代表は『トイレの花子さん』である。 その小学校の旧校舎、二階の女子トイレにも、 『女の子の幽霊が出る』 という噂があった。 ただ、その…

禍話リライト 貝の缶詰

Aさん(男性、既婚者)の体験談。 Aさんは、いわゆる専業主夫である。 夫のAさんが家事を行い、奥さんが会社勤めをしている。そんな御夫婦だ。 妻のBさんはかなりアクティブな女性で、気の合う女友達と共に頻繁に飲みに行ったり、アウトドアに出かけたり、そう…

禍話リライト よぎってみせた女

世の中には、気づかない方がいいこともある。 そんなお話。 北九州在住、Aさんの体験談。 終業後、会社を出る前に事務室に寄る。それが当時の勤務先でのAさんの習慣だった。そこで事務員から郵便物を受け取り、帰り道の途中でポストに投函するのである。 も…

禍話リライト 怪談手帖『天狗××(ペケペケ)』

『天狗』という説明不要なほど有名な妖怪の特徴の一つに、その名を冠した怪異の多さが挙げられる。 天狗倒し、天狗囃子、天狗太鼓、天狗の礫、天狗笑い、天狗火、天狗揺り……。 特に山中や山の周辺で天狗が起こすとされる怪異の話は枚挙に暇がない。 僕(『怪…

禍話リライト おまいりえにっき

関東某県のとある廃墟。そこへ肝試しに行ったグループの体験談。 (なお、現在その廃墟は存在しないそうだ) 廃墟、といっても深い山中や人里離れた土地にあるわけではない。それは何の変哲もない住宅街の中、他の家々に紛れるように存在していた。 この話の提…

禍話リライト 行きどまりタクシー

時間帯、年齢。恐ろしい体験をする時、そうした条件は一切関係ないらしい。 『二十歳になるまでに一度もそういう体験をしなければ、それ以後の人生で心霊体験をすることはない』 皆さんはそんな話を聞いたことがあるだろうか。 この話の体験者である男性、A…

禍話リライト 怪談手帖〈未満〉『蛸』

会社員のBさん(女性)が小学校低学年だった頃の話。 「その頃『遺伝子組み換え』って言葉が流行ってたんだよね。だからかなぁ……」 小学校の近所に、お金持ちの中年夫婦の住む大きな住宅があって、いつからか子供たちの間で、 『あの家では遺伝子組み換え動物…

禍話リライト 事故物件のカーテン

『事故物件』と聞いて、皆さんはどんな状況の部屋を思い浮かべるだろう。 その『部屋の中』で誰かが亡くなった。 概ね、そんなところだろう。 だが、時にはその部屋ではなく、近くで誰かが亡くなったことが原因で事故物件になることもあるらしい。 例えば、…

禍話リライト 怪談手帖『ルドンの沼の花』

十年ほど前。Aさんが四十代の頃の、ある夏の話だという。 厄介な大きな仕事が片付いて、週の終わり、彼は久しぶりに図書館へと赴いた。鮮やかな印刷でピカピカに光る新刊や幾つかの雑誌を漁った後、のびのびとした気持ちが高じて、普段赴かない『美術』の棚…

禍話リライト 竹藪の女

昭和の頃。 提供者のAさんが小学生時代に体験した話。 Aさんが高学年になった頃、お父さんが仕事の都合でいわゆる転勤族になった。 それによりAさんも、その時期、短期間での転校を繰り返していたそうだ。 そういうこともあって、当時の記憶は少し曖昧らしい…

禍話リライト 浴槽の中

この話の提供者であるAさん。彼が友人に誘われ、とある廃墟に行った際の話である。 地方都市によくあるような、かつては賑わっていたが、別の場所が開発され、そっちが栄えた影響で寂れていった、かつての大通り。そんな道路脇にその廃墟は存在していた。 外…

禍話リライト 『苦手なもの』二話

落語『まんじゅうこわい』のように、誰にでも苦手なもの、怖いものの一つくらいはあるものだ。 ただ、時には。 何故それが苦手なのか、他人からするとちょっと理解できないようなものを心底嫌っている人たちもいる。 とはいえ、実際に訊いてみれば『なるほど…