仮置き場

ツイキャス『禍話』で語られた怖い話の文章化を主にやらせていただいてます

2022-01-01から1年間の記事一覧

禍話リライト ノックされる家

どこの地域の話かは不明である。 その家にはかつて親子三人が住んでいたそうだ。 と言っても、すでに両親は高齢。娘も一度は結婚していたが、子供ができなかったこともあり、離婚を機に出戻ってきた。そんな家庭だったという。 その内、両親は歳のせいもあっ…

禍話リライト 廃墟探訪趣味

禍話の語り手である、かぁなっきさん。 彼が知り合いの知り合いであるヒロさん(仮名、男性)から聞いた話。 そのヒロさんがある時、近くの山中にある廃墟へ彼女さんと一緒に肝試しに行った時のことである。 (怖いので昼間に行ったそうだ) 二人が訪れたのは複…

禍話リライト 夕方放送

禍話の語り手であるかぁなっきさん。その高校時代に起きた、同級生の方々が体験した何とも不思議なお話である。 現実に存在しない現象に遭遇した、目撃した。『そう思い込む』ということは少なくない。 例えば、幻覚や擦り込み。あるいはホラー映画を見た時…

禍話リライト 忌魅恐『女と目が合った話』

(この話が例のオカルトサークルにより収集された九十年代当時から見て)三年前、体験者であるAさんの勤め先の会社で起きた話。 ※禍話リライト 忌魅恐 序章 - 仮置き場 https://venal666.hatenablog.com/entry/2021/10/10/005647 そのビルは、駅の裏手にある寂…

禍話とQを視聴した後の出来事

先日(二十二年、八月二十七日。土曜日) 正確には日付が変わって二十八日、日曜日になった後の話。 熱心な禍話のリスナーならご存じだろうが、その日は禍話の語り手、かぁなっきさんの提案により『フェイクドキュメンタリーQ』第十三話『フィルムインフェルノ…

禍話リライト 写真のある机

九十年代に『学校の怪談』ブームが起きた頃、各出版社から多くの怪談本が発売された。 ブームの火付け役となったのは、常光徹氏の同名の書籍。 そこから生まれた楢喜八氏の絵が印象深い児童書。そしてポプラ社の小学生向けの本。 それらが当時、特に人気が高…

禍話リライト 怪談手帖『たんころりん』

太く濃い毛虫眉。 ギョロリとしたどんぐり目玉。 真ん中に胡座をかいた獅子鼻。 のっぺりと結ばれた広い口。 人の倍はあろうかという大きな顔。 そんなものが、窓の外からこちらを覗いている。 曇ったガラス窓の右下に見切れている。 窓の中には他に、一面の…

禍話リライト 霊感のある女(カタツムリの家)

『霊が見える』と自称する。 そういう人とは、あまり付き合わない方がいいらしい。 提供者、Kさん(仮名、男性)が高校生の頃。 地方の不良の多い学校にはありがちなことではあるが。夏休みなど、そういう時期になると素行の悪いOBがやって来て、在学生を呼び…

禍話リライト 闇夜の物体

提供者であるAさん。彼が大学時代に所属していたゼミで起きた話。 その日、Aさんは所属するゼミの仲間と共に、大学構内にある図書館で勉強会をしていたそうだ。 ずいぶんと集中していたのだろう。気づけば、いつのまにか図書館の閉館時間が迫っていた。そこ…

黒沢絵

※二二年六月十七日早朝に私の見た夢を元にした創作です。 つまり、あくまで『フィクション』です。 実在の人物や地名等とは一切関係ありません。 ……黒沢某という、その分野ではあまりにも有名な巨匠がいる。彼の手がけた作品を見たことがない人はいても、そ…

禍話リライト 孫が走る

提供者であるAさんのおばあさんが体験した話。 当時、おばあさんは既にかなり御高齢だったのだが、その割にまだまだ元気で足腰もしっかりしており、町内会の回覧板を次のお宅に回すなど、家の中のいろいろな仕事を率先して行っていたそうだ。 ある日のこと。…

禍話リライト 忌魅恐 『お姉さんの体験した話』

※『自己責任系』の可能性があります。 Aさん(女性)が実家近辺で体験した話。 Aさんの実家は田舎の方にあり、当時すでに社会人であった彼女は毎日の通勤に電車を利用していた。 田舎なので、いつも利用している駅は昼間の内こそ駅員がいるのだが、夜遅い時間…

実体験 K先生の話&etc

※地元に関する実体験、というか実際に聞いた話を文章化した。そんな諸々の詰め合わせです。 基本、飲酒しつつの執筆でして、この話については過去の記憶を思い起こしながら、ということもあり。また、いずれも十数年前に聞いた話で、コロナ禍で地元へも長い…

禍話リライト コックリさん×2話

●『こっくりさんVS口裂け女』 七十年代の話。 つまり、俗に言う『第一次コックリさんブーム』の頃の話だ。 当時、同時期にかの有名な『口裂け女』の噂も広まっていた。 インターネットがまだ存在しない時代の話である。口裂け女の情報はテレビや雑誌でしか伝…

禍話リライト 怪談手帖『変容の実例』

……これはいわゆる『怪談』と言っていいものか。実際のところ、かなり怪しい話である。 ただ、僕(怪談手帖の提供者である余寒さん)が収集した中でも、 『天狗』 というものについて、珍しいアプローチがされている体験談であり、僕自身、話者の方からの聴収に…

禍話リライト 哀しき修学旅行

※加藤よしきさんによる語り、それへのかぁなっきさんの相槌を文章に起こしたものです。 (怖い話ではありません) (前話を受けて) ……それで思い出したんですけどね。 一人取り残された人間がね? どれだけ不憫な思いをして、しかもその人間がどれだけ勇気を振り…

禍話リライト へこむ影

禍話には特定ジャンルの話に特化した『提供者』の方々がいる。 コックリさん専門のKくん。 よくない廃墟に詳しい甘味さん。 そして『学校』の『トイレ』にまつわる話を提供することからそれに因んだ名で呼ばれる、花子さん(仮)である。 これは、その花子さ…

実体験 墓地の話

以前の話でも言及しましたが、俺の親父は地元の病院で薬局長を務めていた薬剤師でした。 俺が小学生だった頃、親父は毎週水曜日は当直のためその病院に泊まりこんでいました。 後年、自分が成人して共に酒を酌み交わしている時、話の流れで心霊関係の話にな…

禍話リライト 怪談手帖『たどん』

Aさんという方の、子供の頃の体験。 彼の住んでいた北九州のOという地域。 そこから一山越えたところにボタ山(石炭の捨て石の集積場)があり、当時そこに行って石炭クズを拾う者たちがいた。専門の業者のところへ持っていけば、その場で買い上げてくれたから…

お知らせ

『禍話リライト=note』 そう考えておられる方が多いように見受けられる。 ↓ (noteへ行けば今まで以上に、多くの人に見てもらえるのでは…?) ↓ (そうすると、かつて自分がそうだったように、触発されてリライトをする人が増えるのでは…) ↓ (リライトが増えて…

禍話リライト 弁天池

『弁天池』 その名で呼ばれる池が日本各地に存在する。 恐らく、これを読んでいる皆さんの近辺にも一つはそうした場所があるのではないだろうか。 だが。 そう呼ばれる池は、 『三種類』 ある、ということを御存知だろうか? まず一つ目は(地図等に記されてい…